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音とおもちゃと庭仕事 ~Sound Gift Shop 音賜のブログ~

おもちゃに込められた『思想の違い』~HABA社製 組み立てクーゲルバーンシリーズ~


「お決まりの成功なんか約束されてないよ。工夫してごらん。」

日本人の物づくりは、何でもきっちり
 という印象が強いですね。
気持ちいいほど「ピタッ」とはまる。一度固定するとズレにくい。毎回ぶれずに所定の位置まで転がり落ちることを約束されている。驚くほど高度で精緻な加工技術。そうしたものが好まれる傾向がある気がします。
ドイツのおもちゃは?
 フレーベルの「恩物」以来、知育玩具開発で200年以上の歴史をもつドイツの製品をみてみると、「あれっ?」ちょっとした違和感が。日本人の好むモノづくりとは、少し違った思想が流れている気がします。物自体はしっかりしているのですが、そこまで過保護にしないといいますか。
「ずれたら上手く調整してごらん」
「何でずれたかわかれば、次はいい手が見つかるよ!」
「すぐに玉が飛び出してしまうからこそ、たくさんの発見があるんじゃない!」
そんな声が、おもちゃから聞こえてくる気がするのです。
HABA社製の組み立てクーゲルバーンシリーズの醍醐味
 組み立てる要素と、転がす要素をあわせもつHABA社のクーゲルバーンシリーズ。重厚なブナ材の積木ですが、積み木は乗せるだけですから、建造物として堅牢とは言えません。小さなビー玉が勢いよく転がってゆくため、振動で次第にレーンの継ぎ目がズレてゆきます。大規模なクーゲルバーン(玉の道)を組み立てようとすると、微調整の繰り返し
別売のジョイントパーツも、ぴったり固定できるという程でもなく、補強に工夫が要ります。最終的には、あたりの使えそうな日用品を見まわして、ずれないように養生したり。試行錯誤を伴い、大人でも辛抱がいるくらい。
簡易に得られる達成感よりも、原因と結果をねばり強く観察し、考える姿勢、次につなげるプロセスを大切にしているのではないか。そんな風に思えます。
現代の流行り、子ども達の好みとは少し違うかも知れませんが、日常の問題解決科学的思考にもつながる大切な習慣。一おもちゃ屋として、一親として、作り続けて欲しい大切なおもちゃの一つです。
そして、親子で挑戦してほしいおもちゃのひとつです。
上の公式動画でも、たくさんの子どもと大人が、渾身の力作の結果に頭を抱えて叫んでいますね。無くしたくない時間がおさめられていますね。

小さなお子さんなら
いきなり大規模建設ではなく、いろいろな反応がすぐに得られて楽しい、様々なオプションパーツから入るのもおススメです。

以上、当店のこだわりポイントのご紹介でした^^。

    コラム:優れたおもちゃとは?
  1. おもちゃの『役割』を意識してみる
  2. おもちゃに込められた思想の違い~HABA社製組立クーゲルバーンシリーズ~(←本記事)
 
 

おもちゃの『役割』を意識してみる

おもちゃと役割

今だからこそ考えたい『優れたおもちゃ』とは何か?
今日はおもちゃの持つ役割を、 ”大人にとって” という切り口で考えてみましょう。

時として苦行(笑)

 子どもの遊びに付き合うことが、大人にとって楽しいとは限りません
それでも子どもとのコミュニケーションを確保すべく、涙ぐましい努力があったり。

ままごとに付き合う場面を想像してみましょう。
「召し上がれ!」「いただきます!モグモグ…美味しいー!」という、無限ループ。やることは山積みなのに、昼日中から私は一体何をしているんだろうという虚無感。

ごっこ遊びには、子どもの社会性を育む重要な役割があるのですが・・・
それでも、小さな支配者から一方的に指示を受け、従うことを要求され続ける苦行(笑)。正直・・・本当に正直な話、お給料欲しくなります。

こんな風におもちゃを使うと?

 そこで例えばです。割ってしまうのを覚悟で、本物の陶磁器の食器セットを用意してみたとしましょう。リサイクルショップなどで、古い引き出物セットなどがワンコインで手に入ります。

すると、子どもの繊細な手のコントロールを養い、注意力を育てるよい機会になり、更に熟達を見守る楽しみが出てきます。本物を与えてもらった子どものモチベーションもだだ上がりです。

 あるいは、ある程度数のそろった食べ物のおもちゃなどを用意してみたとしましょう。
系統別の分類ができるか、人数に応じて分配できるか、テーブルセッティングは出来ているか、作業の段取りを意識しているか?などなど・・・。これらは全て、実生活の能力につながります。

ポイントとしては、おもちゃを意識的に工夫することで、大人が観察すべきポイントや、関わる方向性が定まってきます。ちょっと大げさですが、子どのも得意不得意や発達の進捗を把握する上でも有効です。

大人にとっての意味

 という事で見方を変えるとおもちゃは、子どもの楽しみとは別なところで、大人にとっても『子どもの遊び』と関わるモチベーションを与えてくれるきっかけになり得ます。これが優れたおもちゃの隠し持つ『役割』といいますか、おもちゃを使う『目的』の一つと言ってもよいかも知れません。

手助けをしてくれるものとして、少し見る角度をかえてみるのも面白そうじゃありませんか?

    コラム:
  1. おもちゃの『役割』を意識してみる(←本記事)
  2. おもちゃに込められた思想の違い~HABA社製組立クーゲルバーンシリーズ~
 
 
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