絵本の手助け~森と子どもの時間~

木育に関するイベントを控え、ご紹介するのは「森と子どもと、寄り添う大人の時間」を凝縮した写真絵本です。
私達は、時間・体力・お金・住む土地…様々な制約の中で日々子育てしていますよね。そんな中でも、少しでもこんな瞬間を経験させてあげられたらいいな…と思う時間を、切り取ったような絵本に出会いました。自然と子どもの輪郭が融け合って、つながりあうような瞬間がきらめきます。
子どもと森へ出かけてみればフレーベル館 初版2010年、 写真・ことば:小西貴士さん。
森のようちえんという野外保育の場が写し出されています。生き方や考え方の誇示といった調子ではなく、様々な季節の中で、森と子ども達から溢れ出す輝きを、そっと見守る目撃者の視点でまとめられていました。
森のようちえんのような環境が側になくても、普段の生活の中でも、例えば夜祭りの帰り、秋の夕暮れ、霜を踏む朝の散歩など、ふとした時に、子どもの心の動きに静かに寄り添う辛抱を、厭わなくさせてくれる一冊のような気がしました。
秋が深まる今日この頃、たまの休みにどこに足を向けようか。「連れて行かなきゃ」が「連れて行きたい」に変わると、足取りも軽やかになるかも知れませんね。