タイプ別、DIYの向き不向き(積木をつくろうvol.2)
- コラム:積木を作ろう!
- 積木は買わねばならないか?! (積木を作ろう!vol.1)
- タイプ別、DIYの向き不向き (積木を作ろう!vol.2)←本記事
- 材料の調達とコスト (積木を作ろう!vol.3)
- サイズをどうするか (積木を作ろう!vol.4)
- 使用する道具 (積木を作ろう!vol.5)
- 制作の様子 (積木を作ろう!vol.6))
- 積木から見える世界 (積木を作ろう!vol.7)

初回はおもちゃ屋なりの仁義の話でした。
今回はDIYしやすい積木としにくい積木の話です。
- 積木のタイプ
- 一般的な積木のタイプには大きく3パターンあります。1つはブロックタイプで、その名の通りレンガのように積み上げてゆく最も馴染み深いもの。2つ目は長細いバータイプで、“積む”に加えて“組む”という使い方ができるもの。3つ目は装飾タイプで、様々な形や色を楽しんだり、積み上げた時の不安定さを利用して遊ぶ物などです。それぞれ中間的なものも存在します。
- DIYに不向きなタイプ
先ほどの分類のうち最もDIYに向かないのは、材と加工に高い精度が求められるブロックタイプの物です。高温多湿な日本においてもネジレや曲がりの少ない材は高価になりますし、固くて重い木が用いられる点もDIY向きではありません。プロユースの道具がないと、正確な直角や平面を出すことも難しいです。
※写真はHABA社(ドイツ)組立てグーゲルバーン- DIY向きのタイプ
では細長いバータイプの積木はどうでしょうか?大人にも人気の高いKAPLAなどが有名ですね。
材は松や杉などの柔らかく軽い材でつくられたものが多く、大勢の人に使い込まれたものを見ると、反りやねじれ・欠けなどが出てしまったピースがかなり混ざっている事も少なくありません。それでも充分に大きな構造物をつくれます。平らとは言えないカーペットのような床の上でさえ、比較的安定して構造物が作れるこのタイプの積木は、1ピース毎の形の誤差が緩衝され易いようです。組んだり重ねたりすることで全体の強度が増します。表面がやや粗で摩擦抵抗が大きいこともプラスに働いているでしょう。軽くて柔らかいことは、加工の上でも楽ですね。- ということは・・・
- つまり、そこそこの精度で加工された市販の細い角材を使えば、メートル単位で数ミリの曲がりがあったとしても、10〜15cm程度の長さにカットすれば誤差は小さくなります。たくさんのピースを組み合わせて使うことで、更に誤差は緩衝さます。日本では、ホームセンターで並んでいる木材でも、加工精度の良いものを見つけることができますから、通直木理でよく乾燥された材を身近で選べばよいわけです。
プロの加工所さんに「積み木にしたいから」と木材のカットを依頼すると、大抵の場合「精度を出すのが難しいから」と嫌がられます。製品として出荷しようと考えると、全てのピースに対してあらゆる不備のないようにと考えますし、アラが見つかれば即クレーム対象になるもの現実ですから仕方がないのかも知れません。ですが家庭のDIYにおいては、バータイプの積木に“そこそこ使える性能”を与えるのに、プロが求めるレベルの精度が必須とは限らないのかも知れませんね。
次回以降、具体的に使用した木材や加工方法について掲載します。